駄文集

思ったことをただ書きます

寝れない

 私は今、布団に潜っている。目を閉じているが、どうにも寝付けない。特に思考が巡らされているわけでもなく、周囲がうるさいわけでもない。なのに眠れない。布団に入って三十分ほど経過しただろうか。腹が減ってきた。腹の中の肉が縮まってぽっかり空間が広がったような気がする。まぶたは重い。目の奥でじんわりと温かい何かが眼球を包み込んでいるような感覚がする。体は敷き布団に深く、深く、沈み込む。自分に覆い被さっている布は徐々に熱を帯びていく。寝返りを打ったとき、耳が塞がる。青いカーテンの隙間から明度の低い光が部屋に細く差し込んでいる。新聞が配達される音を感じる。そう感じたときには様々な音が鳴っていた。タイヤが道路を走る音、ドバトや雀の鳴き声が反響する音、衣擦れ。その瞬間、私は全てになったことを知覚した。何も見えていないはずがこの世の何もかもが見えるし、周囲の音を聞いているはずだったのに自分自身がその音自体だった。私は木々に止まってさえずっている翼のある生き物で、道を進む黒いゴムであった。空気は寒くも暑くもあり、空は感じたことのないような青だった。触れているものは触れられているものであり、全てのものは調和していた。完全な感覚だった。心地良い。これがずっと続けばいいのに。そう思ったとき、辺りは闇に包まれた。

 下で誰かか起きる音がした。

寝れない深夜の時間

 寝れない深夜は目を逸らしたいことを考えてしまう。先の見えない将来、張り合いの無い生活、単調な日常、理想から離れた体型、上手くいかない人間関係、気まずい親、時間の浪費、才能の無さ、存在意義...そんなやるせないたるんだ鬱憤を書き連ねるためにこれを始めた。言葉は私の内側からしか生じない。それを打ち込んで少しでも気が晴れればなと思う。