駄文集

思ったことをただ書きます

卒業

卒業式だと言うけれど、何を卒業したのだろう。思い返すと入学式が終わった後は1人でそそくさと帰った。そして卒業式が終わった後も1人でとっとと帰った。環状線で電車に乗って、それと同じ駅で降りただけなのだ。始まりと終わりが一緒なのだから、何も変わっていない。ただ覚えたのは酒とたばこのやり方、いくつかの好きな曲、諦観、言い訳の仕方、効率の良いサボり方だった。
虚しくもない。それは既に終わっている。明日は今日と変わらない明日の風が吹くだけだ。
同じところに居たいなら、走り続ける必要があると誰かは言う。それは間違えだ。確かに、動く世界と比べたらその速度と同じ速さで走らないと間に合わない。しかしながら、自分から見たら自分は変わらない場所に居て、ただ周りが忙しいだけに見える。そんなのにはついていけない。時速1500キロは自分には速すぎた。

 

君の手

もつれて向きがなく果てしない無限の車輪に刻まれた確実にぼんやりとした僕の昨日までを存在させる何かをゆっくりと消す決して絡まっていないよくしゃべる美しい君の動いている冬の夜明けのような温かくて冷たくて包み込むような他者に優しさを感じさせる帰らない僕を縛る振りほどかれた全てを統べる細くて白い奇跡みたいな残酷な手!