駄文集

思ったことをただ書きます

定期的な彼女

 彼女とは昔から1週間に一度しか会えなかった。それはお互いがお互いに、相手のことに関して依存しすぎないようにするための配慮だったかもしれなかったし、毎日会えたとしたら有難みが薄れてしまうからかもしれなかった。とにかく、1週間に一度しか会えなかった。
 彼女はどこか僕の子どもごころを、あるいは少年ごころを刺激する魅力に満ち満ちていた。具体的にそれを示すことは容易ではないが、必ずそれを持っていた。また、彼女の中身は多様性に溢れていた。ユーモアがあったし、セクシーだったし、アンニュイで刹那的で、たまにラフな雰囲気も纏っていた。そういったことは僕を少なからず魅了していた。
 僕は彼女を愛していた、というのも、僕は彼女に会いたくて仕方がなかったからだ。会った直後には、もう7日後の次に会う機会が待ち遠しくなっていた。次回の彼女は一体どんな風なのだろう、そういった、彼女の読めない感じに僕はたまらなく夢中だった。
 世の中には他にも色んな女性がいたが、僕は彼女が1番好きだった。例えば1ヶ月に1度しか会えないような忙しそうな女性は特にだめだった。それは長すぎだ。その人が待っている1ヶ月から1ヶ月の間から、たとえどんなに面白い土産話を持ってきたとしても、僕にはそれは待てなかった。
 飽きは音もなく唐突に背後にやってきた。彼女が魅力的に感ぜられなくなってきた。なんだか、会っていてもちっとも面白くもなんともない、以前は会うことが待ちきれなかったにもかかわらず。仕事で疲れているときの憩いを求めているはずだった。まるで自分か彼女の中身、もしくはその両方が洗いざらい別の何かと総入れ替えされたみたいだった。僕はついに彼女と会うことはなくなってしまった。